今日は日本の色の歴史を探求してみたいと思います。
色名というのは本当に多くの種類と数があり、日本の伝統色だけでも
数百種類はあります。
色の名前の由来においては全世界で言える事なのですが、
そのほとんどがこの地球における自然界や動物界の世界から彩られる色から
その色名がつけられており同じ色であったとしても世界それぞれ
色の言い方が違ったりするものです。
しかし、その色名の歴史をたどっていくことでその由来となる当時の生活や
歴史やその頃の人々の価値観が見えてくるもので、同じ1色の色であったとしても
国が変われば解釈も違ってくるものだったりもするんですね・・・。
さて、今回は日本に絞って色の世界を探求してみたいと思います。
日本の伝統色というのは、とても繊細で柔らかく微妙な色がとても多く存在します。
それは自然の素材から色を作り出していったという経緯もあるのでしょうが
それより何よりその色合いを表現させ、定着させていった当時の日本人の
感性が何より土着的であったからなのだろうと私は思います。
同じ染料から取られる色であったとしても、染め方の違いで色名も変わっていたりと
ひとつの素材をとことん利用し、そしてさらにそれを楽しむ感性はとても素晴らしいと思います。
例えば、代表的な日本の色といえば
■藍色
日本の最古の染料で、ダテアイで染めた鮮やかな青です。
そして、その染料から染められた色は数種類あり
■浅葱色・・・若いネギの色の意味。藍染で薄く染めた色。
実際のネギの色と比べて青みが強い。
■瓶覗き・・・藍染の中で一番薄い色。藍染の染液をためておく
「藍瓶」にちょっとだけ浸けて染めたという意味から付いた名前。
■藍鼠 ・・・藍色味を帯びた鼠色。「あいねずみ」ともいう。
藍染で薄浅葱に下染めした後、櫟などの鉄媒染で染め重ねた。
などなど、本当はもっとあるのですが色合いの違うものをチョイスしてみました。
このように同じ染料から取った色でも染め方を色々変え色を作り出していっていたようです。
その他に私が特に魅了させられるのは
平安時代の十二単の
重目の色です。
襟からほんの少ししか色が見えないのにもかかわらず、12色もの配色を
絶妙にコーディネイトしている素晴らしさ☆
着ている人の苦労より美を優先する日本人の配色の感性はとても素晴らしい!
特に季節ごとにその色彩を変え、衣装の配色にも反映させている細やかさは
やはり日本人の成せる技なのでしょう。
自然と人間の生活がとても調和され、美しいものであったのだろうと推測できます。
今の日本は、良くも悪くも様々な文化が取り入れられ、特に都心の色彩は
ありとあらゆる極彩色の世界が繰り広げられていますが、外国の文化が
入ってくる以前の日本の町並みというのは、本当に自然と建物、着るものに至るまで
見事なまでの美しい配色であったのだろうと思います。
木や土や石から建てられる建物に、藍で染めたのれんなどがたなびき、
草木から染められた染料の着物を季節を取り入れながら楽しんでいたのでしょう。
そしてその色をさらに引き立たせていたのは、生地などに多く使われている文様。
幾何学模様のリピテーションからなる世界は今見ても新鮮さを感じ
インスピレーションを掻き立てられます。
実際に当時の日本にあこがれる外国の画家はとても多く
葛飾北斎の絵などはゴッホなどの絵にも大きな影響を与えたといわれています。
そんな素敵な当時の町並みや風景を、この目で実際に見てみたかったなぁ~・・。
と、歴史の建物を見たりするといつも思います。
日本の奥ゆかしさや繊細さ。
そして自然と共存し、決して自然を荒らしたり無駄にしない利用の仕方は、
すっかりそこから離れて生活してしまっている現代の私たちに
何かメッセージを発しているように思います。
その国が発するエネルギーはその土地における配色を見ると
その国の人々の志がわかるような気もします。
調和的に生活しているか否かは色彩の調和とも繋がっているのかもしれませんね☆
まず、自分の身の回りの色から意識していければ・・・。
と思います。
COMMENT FORM